はじまりの日 大阪

2011年の東日本大震災をきっかけに有志が集まり、支援を続けています。

ゴー!ゴー!ワクワクキャンプ その1

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南丹市園部町垣生にある古民家がキャンプの場所

2014年11月3日(月・祝)に開催された
「はじまりの日 大阪~Forever Young~」では
支援金として、\73万2,720円の現金が集まりました。
この内\336,360円をゴー!ゴー!ワクワクキャンプに支援しています。
今年も、集まった支援金の一部をゴー!ゴー!ワクワクキャンプ
に支援する予定です。

これから2回に分けて
ゴー!ゴー!ワクワクキャンプ(略して「ゴーワク」)
についてご紹介していきます。

ゴー!ゴー!ワクワクキャンプとは

ゴーワクのはじまり
2011年3月11日に起こった東日本大震災
この震災が原因で福島第1原子力発電所で事故が起き、
それにより、放射能汚染が広まりました。
また原子炉内部の状況が確認出来ず、情報が錯綜して混乱・・・
現地で人々はとても不安な日々を送っていました。

そんな中、「子どもたちを放射能から守りたい」と
当時、京都精華大学を卒業したばかりの久保田美緒さんと
芝菜津子さんが発起人となり震災から2ヶ月も経たない、
2011年5月2日~6日のGWに京都精華大学
子どもたちの保養キャンプを開催したのが始まりです。

その後、二人の考えや行動に賛同した人たちの輪がひろがり
2011年のGWに引き続いて夏、2012年の春と夏、
そして2013年、2014年、2015年の夏に開催され、
現在までに合計7回のキャンプが実施されています。


「保養キャンプ」の目的
「保養キャンプ」とはあまり聞き慣れない言葉ですが、
その目的は、「少しの間でも放射能の不安が少ない生活を送ることで、
心身のリフレッシュ・健康回復につなげること」を目指しています。
そしてその効果として
「ある一定期間、放射線量の低い土地で過ごし、
汚染されてない食べ物を食べる。そうすることで、体内に溜まった
放射性物質を減らすことができ、免疫回復につながる」と
ゴーワクでは考えています。
「また、外で遊ぶことを制限された子どもたち、
そして些細なことにも放射線への不安を強いられる大人たちに
ほっと一息ついたり、不安を語り合ったり、人間関係を広げたりする機会」
を提供しています。

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キャンプ近くの小学校で思いっきり駆け回る子どもたち

宿泊場所
宿泊場所は、京都府南丹市園部町
南丹市京都府中部にあり、東西に長い形で京都府下で
京都市に次ぐ面積を持ちます。
市内には日本海に注ぐ由良川と太平洋に注ぐ桂川が流れ、
近くには国の名勝にもにも指定された「るり渓」もある自然豊かな場所。
建物はNPO法人「使い捨て時代を考える会」所有の
「NANTAN交流の家」を使用しています。
この建物は古民家で、敷地内には井戸もあります。

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キャンプ中、毎日大きなヤカンで麦茶をわかし、
井戸水で冷やします。
時には大きなスイカを冷やされることも。

この古民家では部屋の間仕切りを取払い、畳40畳ほどの広間にします。
そこでスタッフとキャンプの参加者が一緒になって、まさに寝食を共にします。
クーラーはありませんが、数台の扇風機がゆっくりと部屋全体に風をおくり、
その様子は「となりのトトロ」に出てくる近所のおばあちゃんちのようです。
ゴーワクの「ひとつ屋根の下で、みんなが家族のように過ごせたら」という想いを
形に表したような場所になっています。

キャンプ期間
2013年以降はおおむね子どもたちの夏休みに合わせて
毎年、7月24日~8月30日までの40日間を開催しています。
それは日程が合わずキャンプに参加出来ないということがないようにという配慮と、
長期のキャンプを行う事でより身体的な保養の効果を期待してのことです。


参加費用
1人/1日500円の食費のみ
宿泊場所までの交通費、宿泊費、イベント参加費はゴーワク負担
*住んでいるところから宿泊場所までの交通費は子どもは全額、
大人は半額をゴーワクが負担。(開催年に多少の変更有り)


参加者の居住地域
現在居住している地域に制限はなく、2015年は福島県宮城県茨城県
神奈川県、埼玉県、東京都、静岡県から、子ども47名、保護者28名(送迎含む)が参加。


ゴーワクが大切にしている考え
ゴーワクでは活動するあたり、大切にしている事がふたつがあります。
ひとつは「ゴーワクの三本柱」。
1,「こどもたちを放射能から遠ざける」
2,「『逃げられない』という心理状態に追い込まない」
3,「つながりをつくる」
これは2011年の夏のキャンプを開催するにあたって、
当時のゴーワクの中心メンバーがつくったものです。
放射能汚染で不安を抱える大人や子どもを受け入れる基本姿勢で、
この考えがゴーワクのキャンプ運営の根幹となっています。

そしてもうひとつは「ゴーワクが大切にしていること」
○ごどもの自主性を尊重する
○日々の生活
○食事
おとなは十人十色で、さまざまな価値観や考えがあり
子ども対しての接し方もちがいます。
この子どもと接するのにこの基本姿勢を共有することで、
子どもたちにムラのない一貫した対応ができています。

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子どもたちは毎食、自分が食べられる量を考え、
自分で盛りつけをします。


以下は、ゴーワクの基本をなす「ゴーワクが大切にしている三本柱」と
「ゴーワクが大切にしていること」の要約です。

ゴーワクの三本柱
1,「こどもたちを放射能から遠ざける」
保養キャンプの意味とも重なりますが、
「ある一定期間、放射線量の低い土地で過ごし、汚染されてない食べ物を食べて
体内に溜まった放射性物質をを減らすことができ、免疫回復につながる」と
ゴーワクでは考え、出来るだけ長くキャンプを行うことにしています。
また、より多くの人たちに参加してもらえるように
年齢、期間、地域の制限はもうけていません。
そして食事は安全安心な食材を使い、放射性物質が対外に
排出を促されるような献立を考えています。
2,「『逃げられない』という心理状態に追い込まない」
放射線の知識や考え方は、人によって異なります。
放射能への不安から郷土を離れることや、放射線に対しての対応、
現地の食材を食べるかどうかなどで、意見が分かれ摩擦が生じやすくなっています。
自分の考えを表に出すことも出来ず、追い込まれ『逃げられない』という状況を
一時的でも抜け出して心身ともにリフレッシュしてもらうこと。
キャンプの参加が、現地で暮らす人にとって一つの選択肢となるよう考えています。
3,「つながりをつくる」
原発放射能への考え方や価値観の違いから心理的な距離がうまれ、
現地でこれからの生活を共に話し、考える機会は少なくなっています。
キャンプに参加することで、現地を離れ同じ立場にいる人が出会い、
思いを共有し、今の状況をとらえ直すことにつながります。
また、関西で新たな人とのつながりできたことで、移住や一時避難も含めた
「これからの生活」を考えるきっかけにもなります。
ゴーワクでは、本当に必要なときに、正しい力添えが出来るよう、
現地の「今」の状況を良く知り、当事者との確かなつながりを持ち続けることが
大切だと考えています。
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近くの川でスタッフと遊ぶ子ども


ゴーワクが大切にしていること
○ごどもの自主性を尊重する
ゴーワクでは「自分のこと・自分でできることは自分でやる」を基本に、
共同生活の役割分担やルールなどはみんなで話し合って決めています。
おとながルールをつくりそれを守らせたり、全員が同じ行動をとることを強制しません。
しかし共同生活・保養キャンプであるため、危険事項をはっきり伝え、
食事・起床・就寝はあらかじめ決めてあり、それを促す(お願い)という形で進めています。
○日々の生活
生活のリズムを整える、自分の事は自分でやる。
そして自分たちの生活を自分たちでつくるちからを身につけることをめざしています。
そして迎える側も「お世話する」のではなく、「一緒に生活をつくる」という意識で
家族、友達、仲間としてこどもたちとかかわっています。
○食事
食材は「安全農産供給センター」が提供している旬の無農薬・有機野菜や平飼い卵、
添加物が入っていない調味料など中心にしようしています。
そして一番大切にしているのは、「みんなでおいしく食べること」。
好き嫌いのある子に食事の場がいやにならないよう声かけや調理・盛り付けに工夫し、
嫌いなものを無理強いしないようにしています。



参考資料)ゴーワクのちから
     (ゴー!ゴー!ワクワクキャンプ報告書2011,2012,2013,2014)
     ゴー!ゴー!ワクワクキャンプのブログ
     (http://55wakuwaku.jugem.jp


はじまりの日実行委員 上山智春